2018.07.31 (火) 19:00 –

BioClub Weekly: Olivia Guigueさん

Date

2018.07.31 (火)

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先週開催された素晴らしい人工生命会議「ALIFE 2018:AIを超えて(Beyond AI)」ではアートのコンテストも行われ、その大賞はオリビア・ジーグ(Olivia Guigue)さんのプロジェクトである「Tamesiology」に授与されました。

オリビアさんはまだ東京に滞在中ですが、今週のBioClubでのWeekly Meetingにて自分の作品とTamesiologyについて話すことに同意してくれました。

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Tamesiologyについて

Tamesiologyでは、潮により周期的にあらゆる種類の物体が露わにされるロンドン市内のテムズ川の岸辺をケーススタディとして、人新世(アントロポセン)の地質学を研究します。製造や成果から派生し、運ばれてきた天然物や合成物が、テムズ川の前浜から干潮時に拾い集められています。

サンプルのコレクションはサブグループを含めた7つの段階に分類され、その物質が通過した(あるいはしなかった)変化の段階によって分類されます。

第1段階:地域的な固有種の物質
第2段階:運ばれてきた物質で変化していないもの
第3段階:運ばれてきた物質で変化したもの
第4段階:運ばれてきた物質で変質したもの
第5段階:第4段階または第5段階の物質によって変化した、第1または第2段階の物質
第6段階:合成物質
第7段階:段階が異なる物質の集塊

この研究では特に、合成材料に焦点が当てられています。サンプルは美的基準に基づいて選ばれており、オブジェクトのかつての様子が抽象化され、その分解の段階を提示しています。そのような物質は現在では地面の一部となっているため、Tamesiologyではコレクションのこの一部を、人類時代の「疑似鉱物学 (pseudo-mineralogy) 」として表しています。この模倣では、自然の中にある人類学に関した物質の動態を観察することによって、自然と人工という二分法に疑問を投げかけ、物体という一つの具体的な視点から環境問題に取り組むことを可能にしています。

オリビアについて

オリビア・ジーグさんは1980年にフランスのセーヴルで生まれ、現在ではロンドンで働きながら住んでいます。彼女は見つけた素材を扱いながら、スキャナーやインターネットのような他のメディアを即興的に使い、写真や実験的、詩的、またドキュメンタリーで幅広い活動を展開しています。あるいは写真による表現を超える必要がある場合、オリビアさんは見つけた物質を取り込むために行ったり来たりすることもあります。東洋の神秘哲学の影響の下で人新世の考古学や科学に特に強い関心を持ち、人目に触れたことのないものや無視されているものにこだわって取り組むオリビアさんは、静止画や、平凡で取り残されたものを通じて、私たちの文明によるエコロジカル・フットプリントに対する懸念を最新の作品で表現しています。

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入場料は無料で、プレゼンテーションは英語で行われる予定です。

BioClubについて

FabCafe MTRLに共同設置されているBio CommunityとCommunity Bio SpaceがBioClubとなっています。テーマはアート&生物学からオープンサイエンスやサイエンスの教育まで多岐に渡っています。講演やワークショップ、イベントの開催をご希望の場合は、こちらまでご連絡ください。

では講演でお会いしましょう。
Georg Tremmel / BCL

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